大塩平八郎の檄文

 

 

天下の民が生活に困窮するようでは、その国は滅びる

政治をするに足る器でない小人共が国を収めれば国に天変地異が起こるとは、

昔の聖人が深く天下後世の君子や人臣に教戒したところである。

民衆が苦しんでいるにもかかわらず、政治家や小役人どもは万物一体の仁を忘れ、

私利私欲のために得手勝手の政治をし、そのうえ勝手我儘(カッテワガママ)な法を作って、国内の遊民ばかりを大切にし、自分たちだけ何不足なく暮らしている。

この度の天変地異による天災という天罰を眼前にみながら、畏れ慎もうともせず、餓死していく貧人乞食を見ても救おうとせず、自分たちだけは山海の珍味を食い、妾の家に入り込み、高価な酒を湯水のように振る舞っている。

私達はもう堪忍することはできない。

やむなく天下のためを思い、罪が一族・縁者に及ぶこともかえりみず、有志とともに民を苦しめている諸役人を攻め討ち、更に驕り高ぶる悪徳町人・金持ちを成敗する

 

大塩平八郎  

 

小名木義之 文 ふかわこういちろう 漫画

美しき日本人たち より

 

 

平八郎が達筆だったので上記の文章も「写本の手本」となり明治維新吉田松陰・高杉周作・西郷隆盛・河井之助・佐久間象山らに影響を与えたそう。

 

 

anonymous-post.mobi